【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。


いままでそんなふうには感じてこなかった。


ずっと、お兄ちゃんとして見てきたから……。



「けど、俺は長男だから。父さんと母さんに〝みんなのお兄ちゃんだから〟って言われてきて、桃や藍、彩と橙を守らなきゃって思ってた。その気持ちはずっと隠してたよ」

「……そっか。すいせーも……」



翠くんはみんなのことを考えて、行動してくれてたんだ。

だから、わたしが気づかないように振る舞ってくれて……。


こんな形で想いを知るなんて。

無意識のうちに翠くんにも失礼なことしてた……。



「いまは俺にとって、いちばん守りたい妹」



ずっとずっと、わたしのことを大事に守ってきてくれた翠くん。

その言葉の重みと行動が、ぜんぶ重なった気がした。



「もちろん、彩から〝好き〟って言われたら、応えるけどね」

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