【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
「ははっ」と乾いた笑い声で冗談に聞こえるように話してるけど、そんなふうに聞こえない。
翠くんも、本気で想ってくれてたときがあったんだね……。
「すいせーまで言いだしたら勝ち目なくなるって……」
「そんなことないよ。彩にいちばん寄り添える兄は桃じゃないか?」
「……そうだな」
翠くんの言葉に、桃くんが安心したように答えた。
「まだ、まーやから返事もらってないから。まーやの意思を聞くまで、俺は諦めない」
力強く話す桃くんは、まっすぐに上を向いて突き進んでいく騎士みたいに思えた。
ありがとう、桃くん。
そんな気持ちもぜんぶわかった上で、答える……から。
「桃。部活の時間は大丈夫か? そろそろ出ないと」