【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
わたしも手元のスマホで時間を見ると、けっこう良い時間になっていた。
「やべ! 行ってくる!」
慌ててリビングのドアに手をかけてると、扉を閉める前に桃くんの明るい声が部屋に響く。
「ありがとな、すいせー!」
このあとは、翠くんが微笑んで桃くんを見送った……と思う。
「彩、もういいよ」
落ち着いた声で呼ばれて、立ち上がった。
「翠くん……」
「いまの話、聞こえたよな」
「うん……」
きっと、翠くんがわたしをどう想ってたかの話。
翠くんはわかってて、話してくれてた。
「俺も、彩が好きだったよ」