【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
舞彩の話だよな。
いないって、まさか……。
「翠聖。代わって」
「え……ちょ、藍」
「舞彩がいないってどういうことだ」
居ても立っても居られず、翠聖からスマホを奪って桃綺に聞いた。
『藍都……!? なんで藍都が出るんだよ』
「それより舞彩だろ。どこで約束した」
桃綺の言葉を遮って続ける。
部活終わりなら、そこまで遠くには行ってないはず。
『〝すずらん公園〟だよ』
ここから歩いて10分のところか。
走れば5分で着くな。
「わかった」
要件だけ聞いて、翠聖にスマホを返した。
そのまま玄関に向かう。
「藍、どこ行く気?」