【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
「桃綺、舞彩いた?」
『まーやから連絡きた!』
そのひと言で肩の力が抜けた。
ひとまずよかった。
俺より先に桃綺のほうに連絡がいったことは妬けるが、いまはそれどころではない。
「どこにいるって?」
『駅だってよ。途中で道に迷ったおばあちゃんを駅まで案内してたらしい。スマホの電源が切れたから、公衆電話から連絡きた』
そういうことだったのか……。
だから約束の時間になっても公園にいないし、連絡も繋がらなかったのか。
「……そっか」
『まーやには駅で待っててもらってる。話があって約束したから、藍都は先に家に行ってて』
つまり、桃綺が駅まで迎えに行くってこと?
そしたら、また……。
「わかった……なんて言うかよ」
『……え? ちょ、おい……!』
桃綺との通話を切って駅まで走った。