【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
桃くんと電話してから数分すると、駅に向かって走ってくる人を見かけた。
わたしのほうを見て近づいてくる。
桃くん……じゃない、藍くんだ。
桃くんにしかここにいることを知らないのに、どうして藍くんが……?
「舞彩……!」
「わ……っ、藍くん!?」
勢いのままわたしを抱きしめる藍くん。
肩を上下に揺らして息を整える。
全力で走って来てくれたの……?
「どうしたの? 藍くん」
「舞彩がいなくなったかと思って心配した」
「えっ……!」
そ、そんな大げさなことになってたの……!?
「桃くんから聞いた……?」
「『舞彩と公園で約束したけど来ない』ってな。すごい探し回ったよ。そしたら駅にいるって桃綺から連絡が入ったから」