【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
藍くんが好き。
そう言えたら、藍くんの不安そうな顔はなくなるよね……。
「俺のわがままなのはわかってる。けど……」
「ひゃっ……」
「桃綺のところに行かないで」
もう一度抱きしめられた。
『絶対に離さない』と言われてるみたいに力強く。
「藍くん……」
早く藍くんに応えたい。
そのためには、桃くんの告白に応えなきゃ……。
「まーや……!」
「っ!」
わたしを呼ぶもうひとりの男の子の声がした。
体を離して見ると、走って来てくれたのは桃くんだった。
「また藍都が先かよ」
息を整えながら藍くんを見る桃くん。
わたしのことをいつも心配して体を張って助けに来てくれるのは、いつも藍くんと桃くんだ。
「舞彩のところならどこでも行くって決めたから。舞彩に答えをもらうまで、もう引いたりしない」
「きゃ……藍くんっ」