【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
上を向けば、すぐそばの藍くんが甘い声でわたしを見る。
そういう顔はだめだよ。
雰囲気に負けちゃう。
離れたくない……けど、これからのためだから。
「ちょっとだけ、桃くんと話していい……?」
「……わかった」
藍くんはすぐに空気を読んでくれて、わたしから離れた。
くっついていたからか、藍くんの温もりがなくなると寂しい。
「家で待ってる」
わたしを安心させるために笑顔で言ってくれたけど、ずっと一緒に住んでるから、それは無理して作った笑顔だってわかるよ。
そんな顔をさせちゃってごめんね。
家に帰ったら、今度は藍くんに伝えるね……。
藍くんとバイバイして、桃くんとふたりきりになった。
桃くんは嬉しそうにニコニコする。
この笑顔を見るのも苦しい。
……けど、決めたから。