【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
〝好きな人〟……。
その言葉がわたしの心を締め付ける。
桃くんは……自分の幸せじゃなくて、わたしの幸せを想ってくれてるんだ。
「次は応援するよ。たださ」
筋肉がほどよくついた腕が伸びてきて、頭に桃くんの大きな手のひらが乗った。
「藍都に愛想尽かしたら、俺がすぐにまーやの隣を奪うから覚悟しててね」
にっこりと自信たっぷりに言う桃くん。
いつもの桃くんに戻ってくれたけど、隙は見せないようにしなきゃ……っ。
「俺はまーやをいちばん大好きなお兄ちゃんでいるよ」
桃くんはわたしのお兄ちゃん。
その関係は、お互いに想いを伝えても変わらないでいてくれるんだ……。
「ありがとう、桃くん」
桃くんを選ぶことはできないけど、わたしも桃くんには幸せになってほしい。
いつか思い出にして、笑える日が来るといいな……。