【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
「あはは、桃らしいな」
「えー! じゃあ僕も伝える!」
橙ちゃんはわたしの手を両手でとって、口もとに近づけた。
「僕も彩ねぇが好きだよ。ファーストキス奪っていい?」
「えっ……!」
藍くんみたいな色気と、桃くんみたいな甘え上手が混ざったような橙ちゃんにびっくり。
もちろん、固まるわたしの代わりに突っ込むのは……。
「「それはダメ」」
ふたりのお兄ちゃんで。
翠くんが橙ちゃん、桃くんがわたしを持って、わたしたちの距離を離した。
「なんだよー……」
剥がされた橙ちゃんは唇を尖らせて機嫌を悪くする。
「まーやのはじめては俺だってほしい」
「真顔で言うなよ。本音が漏れてるぞ」
「男なんだからしょうがないだろ? 藍都のほうがやべぇこと考えてるだろ」