【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
なんて慌てて言っても遅い。
藍くんにはっきり聞こえてしまったのが、目を開けて驚いた表情からわかる。
やっちゃった……っ。
顔と体がどんどん熱くなって、両手で頬をおさえた。
「ねぇ、舞彩」
藍くんが足を止めてわたしを見つめる。
「いまのは……違うの?」
「っ……」
そんな甘い声で聞かないで。
心の声が漏れたなんて、恥ずかしくて言えないのに……。
わたしが答えられないでいると、藍くんの整った綺麗な顔がだんだん近づいてきて……。
「あんまり可愛いこと言うと、期待しちゃうよ」
耳もとで囁かれた。
さらにわたしの体は熱くなる。
「あ、藍くん、ズルい……っ」
「ズルいのは舞彩のほう。これ以上、俺をトリコにしてどう責任とってくれんの……?」