【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
唇の下を細い指で支えて、ゆっくり持ち上げられた。
わたしの視界が藍くんでいっぱいになる。
藍くんこそ、わたしをドキドキさせてばかり……。
「……あのさ、舞彩」
「うん……?」
「今日のリレーで1位を取ったら、また告白させて」
告白……?
そんな。許可をとらなくてもいいのに。
……ううん。わたしが返事をしてないから、そうさせちゃってるんだよね。
「同じレーンに桃綺がいるんだよね。絶対、桃綺に勝つから、応援してほしい」
桃くんが……。
運動が得意な桃くんは足が早い。
そんな桃くんに勝って、告白しようとしてくれて。
ぜんぶ、わたしのために……。
「……うん」
「ん。ありがと」
頭を優しく撫でてくれた。
ちゃんと藍くんを応援しなきゃ。