【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。


王子様のような心地いい声が重なる。

わたしから見て藍くんが左で、桃くんが右にいる。

本当はどっちの手もとりたい。


だけど。

わたしの気持ちは決まってるんだ。


パシッと手をとったのは……左側にいる藍くんの手。



「お願い……しますっ」



そう伝えると、「選んでくれてありがと」と言って、藍くんがわたしをコース内に連れ出してくれた。

一緒に走って、白いテープを越えて1位で完走。


ゴールのピストル音と、歓声で会場が盛り上がる。


藍くんの宣言どおり、本当に1位になっちゃった……!



「すごいよ、藍くん……!」

「舞彩……!」

「っ!」



藍くんがぎゅっと抱きしめる。

こ、ここ、まだ会場だよ!

みんなにすごい注目浴びてるから……っ。



「嬉しい。舞彩が俺を選んでくれて」

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