【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。


藍くんが幸せそうにわたしを呼ぶから、周りを気にすることなんて忘れちゃうくらい温かい気持ちに包まれた。

もちろんだよ……。



「……ずっと、待っててくれてありがとう」

「俺には舞彩しかいないから」



藍くんは揺れることなくわたしを想ってくれてたよね。


遅くなってごめんね。

やっと、これで伝えられる……。



「わ、わたしね……」

「お取り込み中失礼しまーす。念のため、お題カードを見せてもらえますか?」



マイクを持った体育祭実行委員の生徒が、藍くんに声をかけた。


そ、そうだ! まだ会場……!

一気に現実に引き戻されて、顔が熱くなる。

そういえば、藍くんのお題を聞いてなかった。


わたしで当てはまってるのかな……?

なんて書かれてたんだろう。


ドキドキしながら藍くんを見ると、ニコッと微笑んでから自信たっぷりな表情で審査員にカードを渡した。



「えーっと、〝大切にしたい人〟ですね」

< 297 / 351 >

この作品をシェア

pagetop