【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
藍くんの声が響くと、みんなシーンと静かになった。
そのまま落ち着いたトーンで話を進める。
「俺、白石藍都は妹の舞彩と正式にお付き合いさせていただくことになりました。
誤解がないよう言いますが、舞彩は俺の本当の血が繋がった兄妹ではありません」
そんな言葉に、周りがザワザワし始めた。
いきなりびっくりだよね、こんなこと……。
それでも藍くんは堂々と話してくれる。
「そのことを知ったときから舞彩だけを想っていました。この気持ちはこれからも変わらないと、ここで宣言します」
自信がないと、こんなことを全校生徒の前でなんて言えない。
藍くんはそれだけわたしのことを想ってくれて……。
「だからこそ、舞彩を傷つけるようなことをしたら俺が許しません。……いや、許さない。なにかあるなら俺を通すように。以上」
そう伝えて、マイクを実行委員さんに返した。
びっくりして固まる実行委員さんを前に、藍くんは「行こう」とわたしの手をとって校舎のほうに走り出した。