【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
逆ナンだ……。
そりゃあ、藍くんかっこいいもんね。
ひとりで待ってたら声かけられちゃうよ。
「大丈夫です。彼女待ってるんで」
スマホを見ながら興味ないようにお姉さんたちに返す。
「彼女ぜんぜん来ないじゃーん」
「帰っちゃったんじゃないー?」
う……。
待たせちゃったからこんなことになってるんだよね。
でも、あんな綺麗なお姉さんの間に入る勇気は……。
ただ見てることしかできないでいたら、ブルッとカバンに入ってるスマホが震えた。
見ると、藍くんからのメッセージ。
《舞彩、大丈夫? 具合悪いなら教えて》
美人さんに囲まれているのに、見向きもせずわたしに連絡してくれた。
藍くんがわたしのことを考えてくれてることが嬉しい。
それなのに、わたしは勇気が出ないとか言い訳ばかり。
本当は藍くんに話しかけてほしくない。
だって、藍くんは……。
「藍くん……!」