【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
小さくつぶやく藍くんがわたしの手をとってぎゅっと握る。
「えっ」
「俺だって、まだ見てないのに」
悔しさが混ざった声に、ドキッと胸が鳴る。
そ、そんな。
「藍くん、あんまり興味ないと思ってた……」
わたしばっかりドキドキして、反応して。
甘いときの藍くんも余裕そうだから、そういうのも気にしないのかなって……。
だって、ぎゅっとしたり、キスしたり、それより先は触れてこないから……。
「舞彩のことで気にならないことなんてない。
翠聖と話してるだけで妬くし、
桃綺と笑い合ってると余裕なくなるし、
橙吾が遠慮なく甘えるときだって羨ましく思うし。
ずっと頭の中は舞彩でいっぱい。それに……」