【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。


「うん」



返事をしたら、さっきまであった温もりが離れて、ぜんぶなくなる。

そのまま洗面室を出てドアが閉まったから、急に寂しくなった。


もっといっぱいぎゅってしてほしかったな……。

わがままかな、そう思うのは……。


部屋に入るときに言ってたもんね。


『なにもしないから』って。

せっかくふたりで旅行に来てるから、カップルっぽく距離が縮まるかもって思ってた。


翠くんに藍くんのことを教えてもらったように、わたしがもっと素直になれたらよかったのかな……。



°


「藍くん、お風呂ありがとう」



お風呂から上がってソファに座る藍くんに声をかけた。



「ん。俺も入ってくるね」



家での会話と同じようにお風呂を交代。

スッとわたしの横を通っていって、また寂しくなる。


このまま普通に過ごして終わっちゃうのかな……。

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