【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
《彩ねぇの写真は僕も好き!》
さらには翠くんと橙ちゃんまで反応をくれる。
スマホごしの文字だけれど、目の前で会話をしているみたいにみんなの声が頭の中で再生されて思わずクスッと笑ってしまった。
本当に、みんな優しくて温かな家族だな……。
《そういえば藍にぃは? 旅行中なのに話してて大丈夫なの?》
藍くんのことを気遣ってくれたのは橙ちゃん。
まだ出てこないかな……?
〝今、お風呂に入ってるよ〟って文字を打とうとしたら、ふわっとシャンプーの香りに包まれた。
「俺のいないところで、いいことでもあった?」
耳もとに甘いセリフが吹き込まれる。
すぐに藍くんだってわかって胸がドキッとした。
手元に持っていたスマホを膝の上に置いて、藍くんの温もりをそのまま感じた。
頭の中は藍くんでいっぱいになる。
「えっ……とね」
「ん……?」