【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
「わっ」
教室に入って抱きついてきたのは、クラスでもいちばん仲良しな立花 紫音(たちばな しおん)ちゃん。
出席番号が前後で、入学式の日に話したのがきっかけでよく話すようになった。
いつも明るくて、誰とでも仲良くできる紫音ちゃんは、自分の意見も持っててしっかりしてるお姉ちゃんみたいな存在。
「おはよう、紫音ちゃん」
「毎日学園の双子王子と登校なんて、幸せ者だなぁ舞彩は〜」
顔を緩ませながらニヤニヤとわたしを見る紫音ちゃん。
「そ、そんなんじゃないよ! お兄ちゃんなんだから」
「あははっ! そうだね」
疑いのない笑みに、すこし心が痛くなった。
桃くんや藍くんはお兄ちゃんだけど、本当は血の繋がった兄妹じゃないから……。