【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
名前を呼ばれてハッとした。
そしたら、目の前にドアップの藍くんがわたしの身長に合わせて顔を覗いてくる。
「ぼーっとして、なにか悩みごと?」
「へっ! あ、ううん! なんでもないよ」
藍くんに心配をかけないように笑顔を作った。
そしたら、頭の上に手のひらがポンと乗る。
「……ひとりで考えこむなよ。舞彩には俺がいるんだから」
髪の毛の流れにそって撫でてくれる。
「……うん」
わたしが家族のことで悩んでると思わせちゃったかな。
藍くんやみんなが変わらず優しくしてくれるから、そこについては不安はないよ。
……ありがとう。
「……ん」
藍くんはわたしを見つめたまま姿勢を伸ばして微笑んだ。
お風呂上がりだからか、藍くんからシャンプーのいい匂いがする。