【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
ふたりだってこんな姿見たくないのに。
ちゃんと着替えるときはカギを閉めておけばよかった……っ。
「桃綺。舞彩は女の子なんだから気をつけろ。部屋のノックは急いでてもして」
「悪かったよ……」
ドア越しに藍くんの低い声が聞こえてきた。
わたしの代わりに藍くんがしかってくれてる……。
妹だけど、ちゃんと女の子として気にかけてくれてるんだ……。
ずっと前から藍くんはそうなのかも……。
ドアに背中を向けながら残りのボタンを閉めて着替えた。
準備が整ってそっと部屋を出ると、子犬みたいにしょんぼりする桃くんと目が合って、頭を下げられた。
「まーや、ごめん!」
すごく反省したようすで謝る桃くん。
藍くんにたくさんしかられたのかな……!
わたしは怒ってないから気にしないでほしい……。
「大丈夫だよ。だから、顔上げて?」