恋の色した空と君
「なるほどね。…で、その子だれ ? 」
キリッとした表情と静かな口調。
それに合わないただの興味本位の質問。
もちろん、本当は真面目に聞こうとしたけど好奇心に負けてしまっただけだ。本当に、絶対…たぶん。
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「言うわけないですよ。何で聞けると思ったんですか ? 」
「やっぱだめかー。でも、無理に聞こうと思ったわけじゃないんだけどね。」
「表情と言ってることが噛み合ってないですね。先輩。」
何度目か、俺はまたつきそうになるため息をおさえて「なんで俺この人なんだ… ? 」と呟いた。
「圭くん今なんか言った?」
不思議そうに問われて俺は、はっと我に返る。
声に出すつもりはなかったのに。
そう思うが、先輩に聞こえていないことを知って安堵した。
ただ、隣に先輩がいて、しかも独り言を聞かれたかもしれないという事実に顔が熱くなるのは止められない。
だからどうか顔が赤いのは先輩にはばれませんようにと願っておいた。
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