恋の色した空と君
「何も言ってないですよ。先輩の気のせいだと思います。」
圭くんの返答にまだ少し納得していないが、とりあえず頷いておいた。
「とりあえず分かったってことにはするけどー、なーんかもやもやするんだよなー。絶対圭くんなにか言ったんだけどなー。」
うーんとうなりながらちらりと圭くんの表情を盗み見する。
そこでなぜか、圭くんの頬や耳がピンク色に染まっているのが分かった。
圭くんどうしたんだろ。夕日のせい、なのかな?
……ん ? 夕日 ?
「って、ねぇ圭くん見てる!?空すっごいきれいだよ!!」
きらきらとした目で見上げる空はピンク色の絵の具をさーっと1本ひいたように色づいていた。そのまわりも淡いピンク色に染まっていてとても幻想的だ。