図書室の人魚姫
すぐ行って帰ってこよう、その願いが泡沫となってしまう前に。
まず最初に抱いた違和感はこれだった。3階の一番端にある、そんなに遠い場所にあるはずのないその場所にたどり着かない。
迷路じゃあるまいし……じゃあ何? なんで、潮の香りがするの? ここは、海なんて近くにない。
だんだんと鼓動が大きくなる。大きくになるにつれて、少し古めかしい扉が目の前に突然現れた。
「開けても、いいの? これ……」
思わず苦笑いをする。ホラーゲームの類によくある光景だ。開ける開けない――なら正解は、おそらく《後者》だろう。
しかしそれでは先へ進めない。おそるおそるその扉を開けると、そこで見たものは普通の光景――読書をする青年の姿だった。
まず最初に抱いた違和感はこれだった。3階の一番端にある、そんなに遠い場所にあるはずのないその場所にたどり着かない。
迷路じゃあるまいし……じゃあ何? なんで、潮の香りがするの? ここは、海なんて近くにない。
だんだんと鼓動が大きくなる。大きくになるにつれて、少し古めかしい扉が目の前に突然現れた。
「開けても、いいの? これ……」
思わず苦笑いをする。ホラーゲームの類によくある光景だ。開ける開けない――なら正解は、おそらく《後者》だろう。
しかしそれでは先へ進めない。おそるおそるその扉を開けると、そこで見たものは普通の光景――読書をする青年の姿だった。