内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
愛する三つ子との生活
桜の花が散り始めた、三月の終わり。
早朝はまだ冷えるので、私は布団にくるまって休日らしくゴロゴロしていた。
春の眠りというのは、どうしてこう気持ちがいいんだろう。何時間でも寝ていたい気分だ。
このまま昼頃まで惰眠を貪って、ゆっくり洗濯をして、掃除をして、簡単なお弁当でも作って近所の公園にピクニックへ出かける。
我ながらなんて素敵なプランだろう。最高の日曜日ね……。
薄っすらと目覚めてはいるものの布団から出る気は起こらず、ぬくぬくしながら寝返りを打つ。
それから手を伸ばし、隣で寝ている我が子の温もりを感じようとして……異変に気がつく。
ぴったり私にくっついて寝ていたはずの麦人がいない。
パッと目を開けて上半身を起こすと、麦人だけでなく秋人も楓人もいない。耳を澄ませると、リビングの方から騒がしい声と足音が聞こえた。
元気そうなのはいいが、枕元に置いていたスマホを手に取ると、まだ六時二十分である。
せっかくの日曜なのに……私の休日は、今この瞬間で終わってしまったようだ。
あの子たちの朝食を用意しなければ。