内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】

 そうして彼とやってきたのは、ハイブランドの路面店が軒を連ねる表参道。広い歩道に大勢の人が行き交っている中でも、龍一さんは目立つのだろう。

 歩いているだけで自然と女性の注目を集めていた。

「ねえ、あれ、モデルの人……?」
「えーっ。じゃなくて、戦隊ヒーローの俳優じゃない?」
「声かけてみよっか?」
「無理無理。一緒にいるマネージャーっぽい人に睨まれるよ、きっと」

 そうか。私はマネージャーに見えるのか。他人事のようにそう思っていると、龍一さんがぼそりと呟く。

「マネージャー? 手を繋いでいるのが見えないのか?」

 どうやら同じ会話を耳にしたようだ。不満そうな声音なので、偽装とはいえ婚約者同士に見えないことにご立腹の様子。

 私と龍一さんじゃ見た目の差がありすぎるので、彼女たちの反応も致し方ないだろう。

 私自身はそう思うものの、龍一さんに怒られそうなので口には出さない。

「だったらこうするか」

 繋いでいた手を離した龍一さんが、その手を今度は私の腰に回してぐっと引き寄せる。

 手を繋ぐよりずっと密着感のある体勢が恥ずかしすぎて、内心悲鳴を上げた。

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