内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
緊張する私の横で、龍一さんがカウンター内の女性店員に話しかけた。
「彼女に似合いそうなエンゲージリングと、それから……」
ふとこちらを見下ろした彼が、指先でそっと私の鎖骨に触れる。
「今この場でプレゼントする、ネックレスを探しています。モチーフはそうだな……流れ星がいい」
「えっ?」
プレゼント? ネックレス?
意表を突かれた言葉に目を瞬かせている私をよそに、にこやかに微笑んだ女性店員が「かしこまりました」と店の奥へ消えていく。
「龍一さん、指輪はともかくネックレスって?」
「今日のファッションは悪くないが、アクセサリーがあった方がいい。それに、夢望を気に入ってくれたきみなら、流れ星のデザインが好きだろう?」
夢望のデザインも、確かに願いを叶える流星がモチーフ。アクセサリーになっても絶対にかわいいとは思うけれど。
「もちろん好きですが、誕生日でもなんでもないのに受け取れません」
「そんなに気にするなら、あのメモに書き加えておけばいい。〝婚約者からのプレゼントはいつでも素直に受け取る〟ってな。遠慮したら減点だ」
「なっ……それじゃ、受け取るしかないじゃないですか!」
「要らないなら、後で捨てればいい。だけど今日のデートの間は着けてろ」