内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
言い合いをしているうちに、先ほどの女性店員がネックレスをベルベットのトレイに乗せて戻ってくる。
「流れ星モチーフはとても人気があるのですぐ完売してしまうのですが、ちょうど再入荷したところだったんです」
「運がいいな、真智。さっそく試着してみて」
「は、はい……」
遠慮できる空気ではなく、曖昧に頷く。値段はわからないがとても高いネックレスだろうに、試着なんてしていいのだろうか。
まごつく私に構わず、カウンターから出てきた店員がすぐにネックレスを着けてくれる。
持ち上げていた後ろの髪を下ろすと、店員がカウンターのテーブルミラーを見やすい角度に直してくれた。
華奢なイエローゴールドのチェーンの先端に、小さな流れ星のチャームが付いたネックレス。星形の中央には小さなダイヤの粒が散らされていて、寂しかったデコルテを飾るちょうどいいアクセントになっている。
一緒に鏡を覗いた龍一さんが、満足げに微笑んだ。