内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
帰宅してすぐ、龍一さんから先にシャワーを使っていいと言われたのでバスルームへ向かった。しかし、洗面所の鏡の前でネックレスを外し忘れていることに気づく。
すぐさま首の後ろに両手を回してみるが、手探りで留め具を外そうとしてもうまくいかない。
「痛たた……」
肩の関節が悲鳴を上げたので、今度は留め具を前に回してみる。鏡を見ながらであれば今度こそ外せるだろうと思いきや、アクセサリーに慣れていないせいか、それとも私が不器用なだけか、まったくうまくいかない。
仕方がないので、リビングにいる龍一さんのもとへ向かった。
「あの、すみません。どうしても自分でネックレスが外せなくて……お手伝いしていただけたらと」
遠慮がちに言うと、ソファでスマホのチェックをしていた龍一さんが振り向く。
「ああ、そのネックレス、留め具が少し変わった形だったよな。外してやるから隣に座って」
「はい。お願いします」
スマホを目の前のローテーブルに置いた彼の隣に、ストンと腰を下ろす。
外しやすいようにと少し彼の方へ体を向けると、龍一さんが私の首元に両手を伸ばした。