内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
恥じらうように俺から目を逸らし、ぼそぼそ呟く真智。
確かに彼女は俺がちょっと触れるだけで未だに動揺する。同居し始めて間もなく三週間になるのに、全く免疫がつかないらしい。
そういった面で見れば偽装の婚約者として少々頼りないが、だからといって彼女以外の女性と結婚したいとは思わない。
真面目な部分以外にも、彼女には多くの魅力があるからだ。
例えば、今彼女がつけている、流れ星のネックレス。
あれは俺が贈ったものだが、彼女は普段とても厳重にしまい込んでいて、特別な日だけその身に着ける。
初めて俺がプレゼントした、大切なものだからだそうだ。
俺はその発想に驚くとともに、真智の内面の美しさを垣間見た気がした。
男に贈られたアクセサリーを〝見せびらかしたい〟と思わない女性に出会ったのは初めてだったのだ。
元々知的好奇心は強い方なので、珍しい物や人に出会えばもっと知りたくなる。真智のなにもかもが興味深く思えるのも、きっとそのせいだろう。
ただ、一週間前無意識にキスしてしまった件に関しては、自分でもよくわからなかった。
ネックレスを外してやる時に真智の顔がそばにあって、気づいたら唇を奪っていた。