内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
来年俺がシンガポールに渡るまで、あと四カ月。その間に、真智の心を手に入れるのだ。
強い決意を抱いたその時、ポケットの中でスマホが震える。
取り出してみると、受信したのは真智からのメッセージだった。
【二次会もあるそうなんですが、疲れちゃったので帰りますね】
文章の最後に眼鏡をかけたパンダがぐったりしているスタンプが添えられていて、思わず口元がほころぶ。
すぐに指を動かして返信を打った。
【今、外にいるから迎えに行く。俺も飲んでしまったから徒歩だが】
真智と親しいあの男、または別の男性社員が彼女を送る事態は避けたい。
そんな独占欲もあったが、単純に彼女の顔が見たかった。
【ありがとうございます! じゃあお店の周辺地図を送りますね】
地図などわざわざもらわなくても、今までそこにいたのだから知っている。
なんて言ったら、まるで彼女を監視していたようなので、あえてその事実は伏せる。
そして彼女から送られてきた地図は見ずに、来た道を引き返し始めた。