内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
「羽澄……」
「それに、後悔するかもしれない確率って、普通の結婚とほとんど同じじゃないかな。うちの親がまさにそれで、好き合って結婚したはずなのに、かなり後味の悪い離婚してるの」
だからこそ、偽装結婚の話の乗ったはずだった。姉にも、『本気にはなるな』と忠告されていた。
これは恋じゃないって、何度も自分を騙そうとした。
だけど、龍一さんと一緒に暮らしている状況で気持ちを抑えるなんて到底無理な話だった。
顔を見られただけでうれしいし、会話をすると心が弾む。彼にもらったネックレスをつけるだけで、胸がドキドキする。
理屈では抑えきれないそんな気持ちこそが恋なのだと、今では認めるしかなかった。
「愛し合って結婚してもダメになる夫婦がいるのなら、私は今の自分の気持ちを大事にしたい。少しでも長く、龍一さんと一緒にいたいの。そう思うのって、ダメかな……?」
自分で出した結論だけど、正しい自信はない。恋愛というものをちゃんと知らない人間が、ただ理想論を語っているだけなのでは?
そんな思いも拭えなくて、床に視線を落とす。