内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】

「アイツとヨリを戻せと言ってるわけじゃない。子どもの保護者として、やるべきことはきちんとやれと言ってる。……子どもたちのためにしっかりしろ、羽澄」
「はい……」

 私が神妙に頷くと、部長がポンと肩を叩いて自席に戻っていく。

 彼の言い分ももっともだ……。姉の手を借りていても毎日クタクタで、子どもたちの些細な言動を見逃したり、忘れてしまったり。

 今朝はそのせいで麦と秋に嫌な思いをさせてしまったし、楓にも子どもらしくない気遣いをさせてしまった。

 自分ではなんとか子育てできているつもりだったが、指摘されてみると至らない点ばかりで嫌になる。でも、だからといって龍一さんに相談するのはハードルが高すぎる。

 Sparcil創業家の御曹司である彼に、三つ子の存在なんて負担でしかないだろう。可能性は低いけれど、男の子だからと降矢家の後継ぎに取り上げられてしまっても困る。

 ……本当に、どうしたらいいんだろう。

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