内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
今日は秋人が思いきり彼に甘えていたから、羨ましかったのだろう。そしてベビーカーの座席と同じく、順番に抱っこしてもらえると思っている。
どうしたものか……。
「ママ、あの、ぼくも……さんばんでいいから」
麦人に続いてゲートのそばにやってきた楓人までも、期待に満ちた目で私を見上げている。
簡単には叶えられそうにない願いなので、良心がチクチク痛んだ。
「ねえ、ちゃちょーって、誰なの?」
話に入れない姉が、不思議そうに首を傾げる。
「……社長。龍一さんのこと」
「えっ? なんで麦たちが彼を?」
そうだ、帰ってくるなり小峰さんのニュースを見せられたから、まだ説明していなかった。
「今日、一緒に帰ってきたの。三年前の別れが納得できないみたいで、仕方なく……。この子たちのこと打ち明けたわけじゃないけど、彼はたぶん気づいてる。自分の小さい頃にそっくりなんだって」
「なるほど……受け継いだ遺伝子はごまかせないからねぇ。こりゃ、腹割って話すしかないね。私が休みの日なら、三人を預かれるよ」
「うん……ありがとう。龍一さんにも予定聞いてみる」
「了解。でもさ、真智、ひとつだけ約束して」
一旦キッチンを出て行こうとした姉が、立ち止まってこちらを振り向く。