内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
『悪いが羽澄のヤツ、今、必死なんだ。前みたいに手放しでお前たちを応援することはできない。ちなみに日本に帰ってきても無駄だ。アイツは引っ越しているし、住所も教えられない』
『どうしてです……?』
『自分の胸に聞いてみろ。とにかく、俺からはなにも言えない』
俺たちを応援してくれていたはずの石狩さんにまで突き放され、なにがなんだかわからなかった。
帰国したら、これまで胸に閉じ込めていた想いをすべて打ち明けて、彼女を幸せにする。
そう決めてやってきた出張なのに、どうしてこんなことに――?
正直なところ、俺の心は一度折れかけた。
次期社長という立場など放り出し、真智に会いに行きたい。業務時間内の会社でなら、彼女と会えるだろう。
そんな思いに駆られ、シンガポールでの仕事に集中できない期間が、僅かだがあった。
しかし、そんな時に日本から送られてきた新商品のプロモーション映像を見て、ハッとする。
そこに映っていたのは、真智が熱心に開発に取り組んでいた『夢叶』だった。