内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
リビングに移動して、ソファの横にあったテーブルを壁の方へ寄せると、寝室から運んできた布団を敷く。
真智と同じ空間に寝られることに三人の情緒も安定したらしく、それぞれ自分の枕に頭を置いて寝る体勢に入ってくれた。
「ちゃちょー、うどん、またちゅくる?」
青いパジャマのかわいい次男が、おねだりするような声で言う。
「麦人が食べたいなら作るよ。秋人はどう?」
「たべる! でも、ふうのなっとー、ちっちゃいだよ」
もう失敗するなと言わんばかりに忠告する、赤パジャマの秋人。俺にとっても痛恨のミスだったので、思わず苦笑する。
「ああ、もう覚えたよ、秋人」
「こんど、ママもいっしょにたべる」
ソファで眠る真智の方を見上げて言ったのは、黄色パジャマの楓人。短い時間一緒にいただけだが、彼だけ助詞をうまく使いこなしていることに感心した。
「そうだな、楓人。今度はみんなで食べよう」
できることなら毎日、きみたちの顔を見て食事がしたい。
かわいい信号機の色に挟まれて、穏やかな眠りにつきたい。
子どもの体温に挟まれていると、まだ眠くなかったはずなのにうつらうつらしてくる。
三人がひそひそと話す声も次第に聞こえなくなり、俺はいつの間にか眠りに落ちていた。