内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
永遠の愛を誓って

「ん……」

 瞼の向こうに朝の気配を感じ、上半身を起こす。カーテンの隙間から細く差し込む朝日が、薄暗い部屋をちらちらと照らしていた。

 頭がすっきりしている。よく眠れたみたい……。

 前髪をかき上げようとしたら、生ぬるくなった冷却シートがポロッと額から剥がれた。

 そういえば、龍一さんが買ってきてくれたんだっけ……ってあの子たちは!?

 急に覚醒してソファを下りようとしたら、床にいつもと違う光景が広がっていたので目を見張った。

 龍一さんの首に抱きつくようにしている麦人、脚にしがみついている秋人、彼の脇の下で遠慮がちに丸くなり、スヤスヤ眠っている楓人……。

 子どもたちの穏やかな寝顔を見ただけで、龍一さんがどれほど頑張ってくれたのかがわかった。

 昨日の夕方から姉が不在で今日も昼頃まで帰らない予定だったので、予想外に熱が上がってしまい本当に困り果てていたのだ。

 それにしても、四人の体にまったく布団がかかっていないのでクスッと笑ってしまう。

 これだけくっついて寝ていれば寒いと言うことはないだろうけど。

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