内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
四人を起こさないようにソファから下りた私は、スマホで時間を見る。
……まだ五時半だ。シャワーでも浴びよう。
バスルームへ向かいながら届いていたメールなどのチェックをし、石狩部長から届いていたメッセージに【今日は行けます】と急いで返信した。
シャワーで汗を流し、着替えてからリビングで熱を測ってみると、三十六度五分の平熱まで下がっていた。
体も軽いし、もう大丈夫だろう。
音を立てないように部屋を片付けていたら、龍一さんがむっくり起き上がった。
ふぁ……と小さなあくびをした彼は、寝起きで細くなった目でキョロキョロし、私の姿を見つける。
同居していた時でさえあまり見たことのなかった無防備さが、なんだかかわいらしく思える。
子どもたちの体をそっとよけて立ち上がった彼が、目をこすりながら近づいてきた。
「真智……もう、平気なのか?」
「はい、おかげさまで。昨夜はかなり疲れたでしょう」
「いや、三人ともそれぞれかわいくて、新鮮だったよ。少しは役に立てたか?」
まだ寝ている三つ子を優しい眼差しで見下ろし、龍一さんが言う。