内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
「少しどころじゃありません。私ひとりじゃ家の中がめちゃくちゃになっていたと思うので、本当に助かりました。ありがとうございます」
「いや、今まできみに育児を任せきりにしていた罪滅ぼしは、ひと晩面倒を見たくらいじゃ足りないよ」
伏し目がちに語る彼の表情には、後悔が滲んでいる。
龍一さんが責任を感じることではないのに……真実と向き合う勇気がなかった私が、勝手に逃げただけなのに。
「真智、今までひとりにさせて、本当にすまなかった」
ゆっくり手のひらを差し伸べた彼が、私の頬に触れる。
久々に近くで見つめ合った彼の瞳には、あの頃と変わらない強烈な引力があった。
過去のものだと思っていた恋が、一瞬で今の私の中に戻ってくるかのよう。
だけど、今度こそハッキリさせなくては。
私たちの気持ちは、本当に……重なり合っているのかを。
「龍一さん、私……」
鼻先が触れそうなほど近くにある彼の顔を見つめ、核心に触れようとしたその時。
「あっ、ママーっ」
布団の敷かれた方から元気な声がして、龍一さんがパッと手を離す。
声のした方をふたりで振り向くと、麦人が私の足元めがけて飛び込んできた。