内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
「実は専務にご相談があって待っていたんです」
「緊急のお話ですか? そうでないなら、明日の午前中にでも時間を作りますが」
専務がそう尋ねると、小峰さんが深刻そうな顔でチラリと私を見やった。
目が合ったので首を傾げたけれど、彼女は私を無視して専務に向き直った。
「ええ。できればすぐにお話ししたいです。例のテストのことで、専務のお耳に入れたいいことがあって」
「……わかりました。では、ラウンジで話を聞きます。すみませんが先に向かっていてください」
小峰さんにそう言うと、専務がこちらに向かってくる。
そうだ、部屋のキーを受け取らなきゃ……。
重い腰を上げ、彼に歩み寄る。
「すみません、お手数おかけしました」
「部屋まで送らなくて大丈夫か?」
「大丈夫ですよ。頭はしっかりしてますので」
「怪しいな。また眼鏡がずれているぞ」