内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
「確かにそうだね。少しは前向きに考えてみようかな。ただ……」
偽装結婚を受け入れるとすると、どうしても引っかかる点がある。
「専務って、身長は一八〇センチ超えだし顔も俳優顔負けに整ってるし、とにかく私が隣に並んでいい容姿じゃないんだよね。偽装結婚なのはもちろん極秘だろうから、社内中の女性たちからの反感を買ってしまいそう……」
社内中は言い過ぎにしても、小峰さんからは間違いなく反感を買う。部署は違うし直接文句を言われはしないと思うけれど……。
「えー? 真智の場合は自分の魅力を磨くのサボってるだけでしょ。メイクや服のセンスだって勉強と同じで研究すればるだけ自分のものになるんだから、この際華やかに変身して、周りを驚かせちゃえばいいじゃん」
よく似た顔立ちにもかかわらず私よりずっとあか抜けていて美人に見える姉が言うと説得力がある。が、私は私。
このままひっそりと地味なままでいたい。
「華やかになんてなりたくない……評価されるなら仕事でがいい」
「相変わらず引っ込み思案なんだから。まぁ、そこまで素敵な専務さんなら、真智のプロデュースも彼がしてくれるかもね」