【完結】「暁光の世から消えて死ね」 〜教会を追放された見世物小屋の聖女は、イカれた次期覇王の暫定婚約者になる。(※手のひら返しで執心されています)〜



 そうして皇室は藁にもすがる思いで毒素の対応を一任し、初代ヴァレンティーノは、数十年のうちに家門を大きく広げていった。


 西華国、クア教国の無法地帯に築かれた闇使いの一族とも繋がりを深め、ヴァレンティーノ家は皇室がむやみに手を出せない家門となったのである。



 ――クロバナは、数百年が経った現在でも枯れていない。
 大陸を三つに分断した境界線で根を強め、いまも毒素を放っている。


 闇使いたちによってなんとか毒素を抑え込んでいるが、それもいつまで続くかわからない。


 だが、どの国も毒素を打ち消す奇跡を生み出せてはいない。

 だというのに、見世物小屋の少女が毒素を浄化できるなど、前代未聞のことであった。


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