初恋は苦い思い出。でも出会うべく人と出会いました
 両親から、仲が良いのなら婚約したらどう? と提案された。オフィーリアと婚約か……オフィーリアは素直で可愛いけれど妹にしか見えないんだよな。まだ十歳だし婚約を決めるのは早い。高位貴族同士ならアレだが僕は子爵家オフィーリアの家は伯爵家だから急がなくとも問題ない。

 それにオフィーリアは友達が少ないし学園に入ってお互い自由に過ごしてから考えても良いだろう。なんてのんびり構えていた。学園に入ってから目立つ生徒はすぐに噂になる。もちろん俺も噂になりよく声を掛けられていた。学園内は平等といえど、やはり平等ではない。俺は単なる顔がいいだけの子爵家の子息だ。

 顔の出来が良くなくても侯爵家の子息は人気がある。それに伯爵家の婚約者がいない子息は凄い人気だった。オフィーリアの家も伯爵家だったけれど親同士が仲良かったからここまで差があるとは知らなかった……

 出会いを求めて色んな場所へ行ったが色々とあり疲れている。そんな中オフィーリアが入学をしてきた。可愛い伯爵家令嬢で胸も大きく癒し系令嬢と噂される令嬢がいるそうだ。へぇ。そりゃぁいいな。疲れた心と体を癒してもらいたい。是非お近づきにって! オフィーリア?!

 母がオフィーリアは可愛くなっていた。と言っていたけれど……確かに。新入生が入ってきて茶会に誘われる事もまた増えたのだが、オフィーリアの事が気になる。
 お茶会で聞いた話だと、とても人気があるようだがオフィーリアの応援隊とかいう組織があり? 今は見守っているのだとか? なんだそれ。

 オフィーリアが俺に声を掛けてくるまで待つか……と思っていても一向に声どころか顔を合わせる事もない。
 そんな中オフィーリアを見かけた友人がオフィーリアを見かけて俺が幼馴染だと言うと紹介しろ。とうるさい。しょうがないから声を掛けてやることにしたのだが……

 つれない態度を取られて驚いた。昔は俺の顔を見て尻尾を振っていたよな?

 とにかく、オフィーリアは俺の事が好きなのだからもう少し待ってやることにしたら、今度は公爵家の令嬢やその婚約者で学年一位の侯爵家の子息と仲良くしているではないか! オフィーリアと結婚して子爵家を継いでも上手く行きそうだな。公爵家と親しくしているとなるとって王太子まで!


< 132 / 175 >

この作品をシェア

pagetop