初恋は苦い思い出。でも出会うべく人と出会いました

「ここがロワール伯爵の屋敷か」
「お花がいっぱい咲いているね。良い香りがする」

 お屋敷までの道の傍にも可愛いお花がたくさん咲いていてわくわくした。すぐに門が開けられてロワール伯爵とジルベルト様が出迎えて下さった。

「ようこそ。お疲れでしょうからまずは、部屋に案内します。後でゆっくり話をしましょう」

 お父様とお母様、アンドリューは客室に。私は荷物を任せてジルベルト様に屋敷の案内をしてもらった。

「疲れてない?」
「うん。大丈夫。家族一同招待してくれてありがとう。楽しみにしてたんだ」

 去年の花まつりはリューと先生を無理矢理連れてきて宿に泊まった。まだ婚約したばかりだったから……なんとなく。

「屋敷のみんなも楽しみにしていたんだよ。全員が揃った時に紹介するよ」
「うん、ありがとう」

 大まかな感じで屋敷内を案内されてから中庭に案内された。

「オフィーリア!」

「あ、フローリア様、ルシアン様!」

 ひと足先にフローリア様とルシアン様は来ていたみたいで中庭で寛いでいた。

「お茶の準備を頼む」

「「はい」」

 メイドに声を掛けてお茶が出てきた。ローズティーだった。良い香り~!

「気に入った?」
「うん、凄く良い香りだね」
< 149 / 175 >

この作品をシェア

pagetop