初恋は苦い思い出。でも出会うべく人と出会いました
「ねぇ、帰りは町に寄ってみない?」
「良いけど、また買い食い?」

 失礼な弟め!

「みんながどんな顔をしているかみたいの。楽しそうに生活をしていると良いなって思って」


 町に花を増やしたいと両親に言ったら、反対はされなかったけど難しい事だって言われた。生活もままならない人が中にいるのに反対されるかもしれないって。

 でも悪いことではないし町の美観にも繋がるから数年計画との事になった。

 庭師に相談して、今年咲いて来年また使い回しできるような花を選ぶ。春にはチューリップ、夏にはグラジオラスなど球根が増えてお金がかからなく、目を楽しませてくれるものを中心に……それと勝手に増えるだろうハーブも植えた。


 ハーブに関しては大成功ですくすくと育って花を咲かせる種類もあるし、お茶でも楽しめたり料理にも使えると領民に人気だ。

 目下の野望はハーブ園を作りたい。そしてそのハーブでいろんな物を作りたい。ステンドグラスが美しい町には敵わないけれど、うちの領地も中々きれいに清掃されているわよね!



「あ、ゴミ……」

「……姉様、素手でゴミを拾うのやめてくれ」

「だって、町が綺麗だと気持ちがいいじゃないの! みんなだって綺麗にしてくれているし、私も協力したいのよ」

 流石に素手で拾っちゃダメよね。気をつけます。


「気持ちはわかるけど早く帰ろう。ピアノの練習あるだろう? サボるとまた手が動かなくなるよ」

「そうね、しっかりした弟がいて安心だわ。ミルクジェラート食べてから帰ろ」

「……また食べるのか。良いけど」


 ()()って失礼ね! 少し歩いたから良いの! 







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