初恋は苦い思い出。でも出会うべく人と出会いました
「それは良かったね。その手に持っているものは?」

 今買ったサツマイモのお菓子だった。

「作りたてだよ。おまけしてもらっちゃった。一緒に食べよ。はい、あーん」

「……僕はいいよ」

「サツマイモってすっごく美味しいんだよ。野菜だし体に良いよ。こんなに一人で食べられないよ。リューも手伝って!」

 無理やりリューの口に入れた。きっとリューもサツマイモと聞いて、あまり良いイメージはないようだ。

「……あれ、美味しい」

「でしょう! 美味しいよね。さっき聞いたんだけどサツマイモって朝顔みたいな花が咲くんだって。見た目がゴツゴツしてるけれど、美味しくて感動したわ」

 リューも頷いていた。うちでサツマイモを食べる習慣がないけれど、シェフに頼んでみようかな……と思うほど美味しかった。

「本当食いしん坊だよね、姉様は」

「うん。美味しいものを食べてキレイなお花を見て、ここの町のお祭りって最高に楽しいね」

 この後パレードもあるみたいですごく楽しみ!

 

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