初恋は苦い思い出。でも出会うべく人と出会いました
パレード
「ステキすぎて感動しちゃった!」
パレードは小規模ながらお花の女神様に選ばれた女性が花びらを撒いていた。女神様役は馬車に乗ってみんなに祝福の意味を込めて花びらを撒くのだそう。すごい幻想的でキレイ……
夢中になって見ていたら小さな女の子達がお花を配って歩いていた。
「はい、おねぇちゃんもどうぞ」
「まぁ! ありがとう。うれしいわ、大事にするね」
女の子にお礼を言うと嬉しそうに笑ってくれた。このお花押し花にすると良さそうね。栞にしようかな。
「そろそろ帰りますか。遅くなっては行けませんから」
そろそろ宿屋さんに戻るみたい。
「えぇー。もっといたいのに……どうしてもダメ?」
「ダメです。我儘言うのならもう連れてきません、そういう約束です」
先生が先生らしい事を言った……
「残念だけど、戻ろう」
後ろ髪引かれる思いだったから渋々歩いていたらリューに手を引かれて歩かされた。その間もフラワーシャワーが舞っていて夢のような景色だった。
「お嬢様、はいどうぞ」
「なに?」
振り向くと先生が花冠を頭に乗せてくれた。シロツメクサを編み込んだ花冠だった。
「似合うよ姉様」
「わぁ。ありがとうございます先生」