初恋は苦い思い出。でも出会うべく人と出会いました
「先ほど編み方を教えて貰って作りたくなったんですよ。初めて作りましたが中々うまく行きました。アクセントに使った花も見事にマッチしてますね」

 サツマイモの花だわ!

「ねぇ、先生。サツマイモってうちでも作れる?」

「可能ですよ。気候的に問題ありませんし、あとは土かな。サツマイモのお菓子美味しかったですね。庭師と相談してみます。シェフも説得しないと」

 先生がぶつぶつと考え事を始めてしまった。そうなると自分の世界に入り込むから放っておくに限る。宿に入り夕食を食べて湯浴みをしてベッドに入る。本当は泊まりの予定じゃなかったんだけど、帰りは遅くなっちゃうし安全の為一泊する事になったの!

「リュー一緒に寝る?」

 楽しかったことを語らいながら寝たら幸せな気分になれるよね。

「なっ、寝るわけないだろう! バカなこと言ってないで部屋に入りなよ」

「パレードがキレイすぎて興奮して眠れないもん。お話しようよ」

 リューに部屋に押し込まれた。お話の途中なのに!

「何よ! 数年前までは一緒に寝ていたのに。領地に来てからも体が弱くて、夜咳が止まらない時は一緒に居て欲しい。って涙ながらにお願いしてくれたのになぁ」

 ぶつぶつと言いながら、部屋着に着替えていたらメイドが言った。

「おぼっちゃまはずいぶん元気になられましたね。嬉しい事ではないですか。私がお話し相手になりますよ。宜しかったら寝る前にお茶をお淹れしましょうか?」

「うん、ありがとう。リューったら姉弟なのにね」

「普通の年頃の姉弟は一緒に寝ません! お嬢様が良くてもダメですからね」

「はぁい」

 それからメイドと今日のパレードについて話をしていた。すごく楽しくて中々眠れなくて早起きしちゃった。朝から晴天で気持ちのいい朝。メイドにお願いして一緒に朝の散策に付き合って貰った! 護衛もメイドも私服で目立たないように。私も町娘風のワンピースだった。

「あら、朝からお掃除をしているわ」

「昨日のフラワーシャワーですね。掃除をしているのですね」

 街の人を見ると皆さん嫌な顔ひとつしていなかった。

「すみません。私も手伝いたいのですが」

「手伝いかい? それなら教会の方は人が足りないんだ、そっちへ行って貰って良いかな?」

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