初恋は苦い思い出。でも出会うべく人と出会いました
ジルベルト
「二人の邪魔をしないでおこう」
「そうですね。少し離れて歩きましょう」
少し離れて歩いているとまるでオフィーリアとデートをしているような気分になる。今日のワンピースも良く似合っている。
「今日髪型がいつもと感じが違うね」
「あ、気が付きましたか? 公爵家のメイドさん達が結ってくれたんですよ」
ふわふわとした後れ毛がなんともいえない可愛さだ。
「昨日のお茶会はどうだった? 断れないって言ってた、」
「あぁ……はい」
言い淀んでいる。言いたくない事でもあったのだろうか?
「どこの家に行ったか聞いても良い?」
は? あまり良い評判を聞かない子息がいるよな? 伯爵夫妻はあの子息を庇いすぎて評判が悪くなっている。もしかして……王太子殿下やステファン殿と伝手があるオフィーリアと婚約して少しでも子息の評判を高めようという算段か?!
「もうお茶会はこりごりです。お友達とのお茶会は楽しいですけどね。昨日フローリア様と女子会をしましたが楽しかったです。あんな風に同じベッドで寝るなんて初めてでした」
一緒に寝たのか! 女子会恐るべし……
「ジルベルト様はルシアン様と男子会はしないのですか?」
するわけないだろう。何が楽しくて夜まで一緒にいなきゃならんのだ。フローリア嬢の事を延々と語られるだけだろう。
「しない。楽しいとは思えない。それよりオフィーリア努力すると言ったんだから敬語はなしだ」
「あ、そうだった、気をつけるね」
なんでオフィーリアはこっちを向かないんだろう。オフィーリアの顔を見ながら話をしたいのにな。
時々前にいる二人は、行きたい店を見つけると入っていく。それに付き合う僕達。
「これオフィーリアに似合うわね」
「この色はフローリア様に似合いそうです」